セルフネグレクト問題
まずネグレクトとは育児や世話、介護などを放棄することだと定義されています。ネグレクトとは親や子供などが家族の世話を放棄することであり、セルフネグレクトとは自分自身による世話の放棄です。
セルフネグレクト状態にある高齢者は、認知症のほか精神疾患・障害・アルコール関係の問題により、生命・身体に重大な危険が生じる可能性があるにもかかわらず、本人が支援を拒否したり、本人が生活の困難さは無いと主張したりすることによって、市町村や地域包括支援センターがなかなか関与できない状態にあります。
厚生労働省は高齢者虐待の範疇に入らないセルフネグレクトに対して以下の見解を出しています。
市町村は、高齢者虐待防止法に規定する高齢者虐待かどうか判別しがたい事例であっても、高齢者の権利が侵害されていたり、生命や健康、生活が損なわれているような事態が予測されるなど支援が必要な場合には、高齢者虐待防止法の取り扱いに準じて、必要な援助を行っていく必要がある。
厚生労働省マニュアル
今後、市町村・民生委員・自治会・地域包括支援センター等が、セルフネグレクト対象者に対して孤立させない支援を行っていく必要があります。支援者を見つけて、本人との信頼関係を築き、援助を受け入れてもらうことが最大の課題となっています。
孤立死・虐待死をゼロにする運動を早期に展開していかなければなりません。