特定処遇改善加算
厚生労働省は平成30年10月31日の社会保障審議会で、平成31年10月の消費税率引き上げ分を財源に実施する介護人材の更なる処遇改善にについて、現在の処遇改善加算とは別に新加算を設ける案を提出した。
平成31年2月13日に開かれた介護給付費分科会で10月の消費税率引き上げに伴う介護報酬改定を了承した。特定処遇改善加算では事業所内に月8万円以上の改善、又は年収440万円以上となるベテラン介護職員が必ず1人いることとなった。特養の加算率は2.7%で、日常生活維持加算やサービス提供体制加算等を取得していることが条件となっている。10月の特養の介護報酬の改定率はプラス0.39%で、消費税率10%への引き上げによる事業所負担を補てんする。又、特別養護老人ホーム等の入居者の食費・居住費の基準費用額が10月から増額される。食費の日額は1380円から1392円に12円上がる。月額で361円の増加となる。居住費は特別養護老人ホームのユニット型個室で1970円から2006円と36円の増加となる。月額で1083円の増加となる。ただ、食材料費や調理委託費の高騰、大規模修繕にかかる整備費の上昇などにより、軽費がかさんでおり、値上げはありがたいがまだまだ足りないのが現状である
処遇改善の新加算、事業所内での配分は3パターン
厚生労働省は11月22日の介護給付費分科会で、新たな介護職員処遇改善加算(新加算)を各事業所内で配分する場合について、3つのパターンを示した。厚労省は「事業所内での配分に当たって、①経験・技能のある介護職員、②他の介護職員、③その他の職種の順に一定の傾斜の設定等を行うこととした場合、以下のA~Cのような配分が可能となる」とし、A・B・Cの3パターンを図示した。Aは、経験・技能のある介護職員に全て配分するパターン。Bは、経験・技能のある介護職員に加え、他の介護職員に配分するパターン。Cは、経験・技能のある介護職員、他の介護職員に加え、その他の職種に配分するパターン。
■「A・B・Cのいずれもありで、どれか1つを選ぶ提案ではない」
厚労省の説明によると、ABCのいずれを採用するかは各事業所の判断に委ねられる方針だが、この日の議論は「A、B、Cのいずれの案が妥当か」という方向で展開された。会議終了後、厚労省の担当者は記者らに対し、「誤解されてしまったようだが、A、B、Cのいずれもありで、どれか1つを選んでほしいという提案ではない」と説明した。
■全て配分する場合でも、「8万円満額の賃上げになるとは限らない」
3パターンの中で、Aは「10年以上で8万円」の賃上げが最も実現しやすい。ただ、経験・技能のある介護職員が多い「サービス類型」であるかによって財源の配分が異なるという前提があるため、厚労省の担当者は「Aを採用する事業所に勤務したとしても、8万円満額の賃上げになるとは限らない」と話している。また、BやCを採用する事業所の場合には、「8万円」部分を取り崩して他に配分するため、8万円満額の賃上げを実現することは難しい。