介護報酬改訂に関して
政府は介護保険サービスの介護報酬を平成30年度から0.54%引き上げることになりました。
平成12年(2000年)に介護保険制度が始まってから、3年に一度の介護報酬の改訂率の推移は以下のようになっています。
平成15年(2003年)△2.3%
平成18年(3006年)△2.4%(平成17年改定を含める)
平成21年(2009年)+3.0%
平成24年(2012年)+1.2%
平成27年(2015年)△2.27%
平成30年(2018年)+0.54%見込み
上記6回の改定率のプラスマイナスはトータルで△2.23となりました。
介護報酬は原則3年に一度、厚労省が介護サービスの内容や価格を改めることになっています。平成27年度は平成12年(2000年)に介護報酬制度がスタートして以来の大きな見直しとなりました。平成26年度(2014年度)と比較して平成29年度(2017年度)は厚生労働省が行った介護事業経営実態調査で、特別養護老人ホーム部門では収支差率が8.7%から1.6%に激減し、全国の特養の33%は赤字経営におちいっている状況がわかりました。その結果を今年の10月26日に厚労省が公表しました。
この調査は平成30年度(2018年度)の介護報酬改定の重要な指標となるため、来年の改訂は0.54%のプラスとなりました。同時改訂となる診療報酬も医師や薬剤師の技術料にあたる本体部分は0.55%引き上げとなりました。又、全産業の月額平均賃金は約30.5万円ですが、介護業界は月額平均賃金は約21.5万円でその差は約9万円です。この差を埋めるために平成31年(2019年)10月に消費税2パーセントを引き上げると同時に約1000億円規模の予算をたてて、勤続10年以上の介護福祉士に月8万円の給与の引き上げと処遇改善を行う予定となっています。
これにより、現場を長く支えてくれる専門性の高い人材を優遇することで、介護業界を目指す人や介護の離職率の低下に役立つと思います。安倍晋三首相が介護職員のさらなる処遇改善を図り、「介護離職ゼロ」の公約を守る事になりました。これによりやっと他産業との賃金格差がなくなり、2025年に約38万人の介護職の不足に対して光が見えてきた気がします。